待機曲

1.

まだ生きていたかったな　涙さえも流れなくなって
もう声も聞こえない　私の居場所は　此処にはもうない

2.

あの日の景色にまた漕ぎ出せば
揺れ色重ね発つ日に浮かべた
夏の音に引かれて振り返る度
あの日の君が笑う

3.

何もかも 凍てついてしまうけど
ただ愛するが故なの 悪く思わないでね

4.

君のいないアイラブユー どこか苦しくて
過去を飲み込んでは吐き捨て
沈みゆく影 照り返す永遠(とわ)の世界

5.

アナログロマンス　変わり続ける
僕らは遠ざかる愛を眺めながら
少しづつ　君のこと忘れて行くなら
もう君にさよならしなくちゃな

6.

ラムネのような淡い恋でした。
昔どこかで聞いたお伽話のような。
「また明日」って笑う君が居た、
二度と戻れない八月のこと。

7.

いたずらに咲いた花なら
枯らさずいっそ摘んで仕舞おうか
それでもね、あなたが好きよ
地獄の底まで離さない

8.

その日は、夏を嫌悪するには十分すぎる空だった
汚れのない青がどれほど憎らしかったか
理解など求めても無駄であろう

9.

うだるような夏が身体を侵食していく
君を攫った季節が舞い戻ってくる
空は彩濃く
置き去りにされた僕だけが
この世界で風に揺れてそこに在った

10.

もう逃げ出したいな 逃げられないな 大人になりたくないな
生まれた時に施された呪いのようだった

11.(ラスト)

炭酸抜けていく　夢想　霧消　無常に溶けて
嗚呼　何故僕たちは　大人になる