OP　0

過ぎ去った風景
転がった日々に余白は無いみたい
熱を帯びている思い出には
壊れた約束

1

顔上げて
やっと気づく
世界は僕に最初っから開けていたと

2

歩調で吐いた白い息と青い視野に　
軽い未来重ねた末の終わりを選んでいる

3

いつか君が夜の海に還るまで、僕の声を覚えていて
いつか僕も夜の海に還るから、その時まで、さよならをしよう

4

ただようように　流れる日々
あらがうように　歌っている

5

雨の音は嫌いさ　寒くて
きみの歌で溶けだす暗闇
雨粒を金色の光の風に変えてゆく

6

3分間の世界で溺れていく
灰色の世界を忘れて、さよなら。

7

蒔いた種は　ゲリラ豪雨　ふいな風で消えた
そんなことを繰り返し、今日は苗を植えよう
水平線までの距離を知ったときのように
この恋もいつのまにかそれとなく散ってく

8

嗚呼 海の匂いがする
嗚呼 白い夢を見る

9

見えない線が声が嘘を抱いてまた罅を育てていく
言わないでいまひとりで呼吸をとめて私は溶けていく

10

透明な透明な波が浚った
空に遠い遠い記憶を縋っていたんだ

11

半分だけ　海に還ったような街の
その瞬間　それだけを永久に

半分だけ　夏に踏み入れたような街の
後ろ髪に縋るその色は

13

忘れたのは痛み 置いてきた部屋には
そらへ続く糸と私のぬけがらが

14

メラトニンの海に溺れて
おやすみしよう　どうかいい夢を

15

曖昧で言葉に出来ない
ネガティヴのインピーダンス変換して
残響の波に投げれば

16

陽光差して 霜が沁みつく
冷たい風が 心を凪ぐ
首吊り自殺 あの頃はまだ
無知を知らず 笑っていた

17

消えた月の光を悲しむように落ちてゆく
それはまるで目には見えないほしのなみだ
僕たちはその温もりをかすかに感じた

18

透明になって消える
この弱さも痛みも
嘘じゃない

19

光消えた街で
今は 心が心が割れないように
夢を見て

20

だけど
転んで泣いてた春の日も
ほら、そこにあるよ

21

公園の痩せっぽちの木が夏らしくて
ちょっと嬉しくて背中を預けたら
君のいない世界で　君のいない世界があるなんて

22

きっと帰るから　きっと治るから

ED　23

轟音の幽霊がぼくらを連れ去ってしまうから
青春の延命装置は壊れたままでいい！