夏夜、裏花火
15 曲 / 72 分 3 秒
夏、花火の裏側で生まれた亡霊はどこへ行く?
ここは終末都市。あなたはもういない。
即ち、愛など必要がない。
眠り続けるあなた以外の感情はもう消えた。
なのに私は呻く。この醜い声は本当に私のものなのか。
クジラの泳ぐ姿を見ながら考える。「自分」という存在を。
あなたとの時間だけが、私の記憶を、感情を支配している。感情という難治の病が、未だに心を蝕み続ける。
私はどうしようもなく生きてしまっているのだ。本当に欲しいものが手に入らないこの世界で。
私はこの感情を引き摺り出して、この本性を曝け出している。
私にとって必要のない、この世界で生きているという証明だけが溜まっていく。
夏の時間が、記憶が脳内に飽和したまま消去出来ない。
私は、機械になりたいと願った私は。
最低なほど人間らしい。
2024/9/3 23時開催
続きを読む
折りたたむ
- mode_commentコメント
ログインするとコメントの閲覧・投稿ができるようになります