この世界は汚く、醜く生き辛いです
多様性を謳われても結局は協調性を求められます
協調の中で多様は弾かれます
潔癖に生きていくことは不可能です
割り切れない人は生きていけません

生きていくために醜く弱い部分は切り取ることにしました
不変でないものは生きていくうえで一時的に綺麗な思い出だったとしても将来的に醜くなります
完成された強い部分を愛して生きていきましょう

私の分身に出会いました
生活を代行してくれるそうです
弱くて醜い部分をこれ以上増やさずに済みます
そうしたら強くて綺麗な部分も見えなくなってしまいました
私は、僕は、何が好きで何を強いもの、綺麗なものだと思うのか分からなくなりました

自分を構成するモノを探す旅に出ました
思い出の中の君に囚われても、
痛みを誤魔化しても、
嘘を隠しても、
受け入れていいそうです

旅を続けます
他の人と違っても、違うことを求めてもいいそうです
弱くて醜い部分が強くて綺麗な部分に変わることもあるみたいです

ささやかな日常を肯定している自分に出会いました
楽しそうでした
きっと苦しくなってしまう日もあるでしょう
その中でもささやかな思い出と共に前に進むのでしょう

僕と向き合っている人に出会いました
こういう関係もあるのだと思いました
意味がないことは存在しないと思いました

違う世界の私たちは私たちの物語を肯定し、愛し、愛されていました
この世界の私も私たちの物語を愛してもらい、紡いでもらえました

旅をしている間にも日常は日常として続いていました
分身に代行に任せた日常は過去自分が営んできた日常とかけ離れており、驚きましたがこれも私が身を分かちた私の望んだ日常でもあるのです

醜く生き辛いのは世界のせいではなく、自身が作った制約のせいでした
求められていると感じていた協調性は自身が課した重しでした
生きていくのに綺麗も汚いも、強いも弱いもありませんでした
私は私でした