1. uotak

    1/8

    ちょうど一年前くらいには大好きだった曲、それらに、いつのまにか感動できなくなっていた。
    心が、表情が、あんまり、動かない。
    いや、いやそんなことない、きっと何かは動いている。
    でも、あの時ほど大きく動かない。
    あれほどの感動はないのだ。

    「音楽が死ぬ」ってなんだろう。
    音楽の幽霊を聴きながら、いつもそんな風に考える。
    誰にも歌われず、聴かれず、触れられることのない音楽だろうか。
    作った人がその音楽のことを忘れてしまった時だろうか。
    その音楽が好きだった人が、音楽を忘れてしまった時だろうか。
    死んだ音楽が、昔歌ってくれた人のところへいくなら、その距離はいくらだろうか。
    彼らが昔歌ってくれた人のところへいけば、その人は歌を思い出すだろうか。歌ってくれるだろうか。

    大切な人が亡くなったら、悲しい。
    だけど、そのあとも、その人のことをずっと考え続けるわけにはいかない。
    心の奥底にしまい込んで、何か似たものに出会った時に、ああ、あれ、あれぇ、、なんだっけなぁ、なんて言ってみる。幽霊には残酷なことかもしれない。
    それでも幽霊は、その人のところへ行くのだろうか。

  2. Camelots

    2/8

    日常の中のささやかな余白。そして冒険。
    「今日は少し違う道で帰ろう」
    そんな風に言える余裕がなくなってしまった。
    人は「忙しい」と感じると、感情を抑えこむことで楽になろうとするみたいだ。
    初めて出会う曲にもまた、あまり心が動かない。
    僕は、この曲を「好き」なのだろうか?
    画面を前に、理屈っぽいことを考えてしまう。
    現在を大切にする余裕が少しずつ、なくなっていっている。
    心を追い越す速度で日々が過ぎていく。
    目の前の物を、ひとつひとつ理性で納得していく。または妥協していく。

    好きや嫌いってなんだろう。
    VOCALOIDが感情を理解しないことの題材にもされるテーマ。
    ぼくに解らないっていうのに、機械に解るわけないよな。
    好きな食べ物も嫌いな食べ物も、聞かれたら少し困ってしまう。
    僕は音楽が好きなんだろうか?嫌いではないだろうな。
    でも、僕が音楽を聴いている理由って、周囲の環境が音楽を聴くことに適していただけじゃないか?
    そんな風に考える。

  3. ukiyojingu

    好き、嫌いという言葉は、勝手にどこかの人間が作っただけで、そこに綺麗に合致する自分なんて存在しない。
    言葉は記号。表しきれない心象が巡る。
    それでも、記号で区別して分類しなくちゃ、言葉と認識で生きる人間は生きて行けない。
    「どこまで行っても本当ではないという妄想が付きまとう」
    でも、僕は表現することをやめられない。

    • 4
    • 7
    • info詳細
  4. 内緒の秘密

    4/8

    誰かが「言葉で表しきれない」を表現の放棄だと批判する。
    僕はどうにかして表現しようと、自分の短い経験の中から似通ったものを探して、140字に満たない短い文章の中で音楽をまとめようとする。
    形容し、自分の中に潜む、感情といえるのかわからない繊細な化学的反応を、紙や画面に吐き出していく。
    ——この言葉で、良かったのかな。
    表現を止めるのも、また表現なのかもしれないな。
    「止めて、止めて、言葉を。」

  5. 石風呂

    5/8人間には色んな側面がある。だから一言で表すなんてできない。
    一言じゃ表せないから、人々は人間の色んな側面を細分化した。
    アリストテレスは分類によって学問を確立させ、"専門分野”ができた。
    そうやって、様々な事象を定義する言葉が新たに生まれた。
    今のこの心象を表現するため、僕は言葉を選ぶことが出来る。
    しかし、選択するということは、つまり何かを捨てて一度は見ないふりをするということ。
    選択をし、その専門に集中してみると、専門的な視界は深く広がっていくが、その視界の外を忘れてしまう。
    人はこの視点を、日常的にかかわる人にも向けていく。
    この人はこうだ、ああだ。
    だから好きだ。
    だから嫌いだ。
    ひとつがこうだと決めてしまうと、全体がこうだと推測してしまうのも人間だ。
    誰かがこれを偏見と呼んで、また誰かが偏見をやめようと叫んだけれど、人間はそう見てしまうものだから、なくすことはできない。

  6. フロクロ(Frog96)

    6/8

    選択したものとその結果だけが後に残り、選択時に悩んだことや妥協点は、大抵忘れてしまう。
    定義に内包しきれない要素や、入りきらない要素を、僕はどう考えていたのか。
    それこそが生きる選択に於いて重要なものかもしれない。

  7. キツネリ

    7/8

    最近、意識してテレビをつけるようにした。
    これまでずっと、テレビを自ら見ようとしてこなかった。
    バラエティ番組は小学生の時見たよりも、笑い声が騒がしく感じる。
    だから、それらはすぐに消す。代わりに、ニュースとか、教育番組とか、そういったものを見てみる。
    そうしてみると、忙しくて、寄り道できなくなっていた僕に、感動が灯った気がした。
    虱は付着する場所や動物によって種類が違う。
    あの国の大統領選挙はこういったことが重視されている。
    今日本ではこういったことが主に取り上げられて議論されている。
    そういったニュースが、触れてこなかったものが、面白かった。
    朝ごはんの十数分だけでも、テレビをつけることにした。
    寄り道が出来なくても、イヤホンを失くして電車で音楽が聴けなくても、ここに隙間を見つけられた。

  8. 川﨑ノーチラス

    8/8

    いつもなら、髪を短く切っていた。
    最近は忙しいから切っていない、というのは言い訳で、いつもより長くしてみたら少し、伸ばしてみたくなったのだ。
    だけど、ある権力へ抵抗として昔の自分が短くした髪なので、今もそんな言い訳をしてしまう。
    しかし、やはり首の後ろが暑い。
    さあ、さてと、これからこの自分をどうしてやろうかな。
    そんなことを考えながら、少しだけ、鏡を見てみる。
    僕は今、僕という人間が面白くて仕方ない。

    • 6
    • 19
    • info詳細

Playlist ショートカットキー

Space : 動画の一時停止・再開
↓ or J : 次の曲を再生
↑ or K : 前の曲を再生
→ or L : 5秒早送り
← or H : 5秒巻き戻し
Shift + ↑ : 音量上げる
Shift + ↓ : 音量下げる
Shift + → or ; : 次のサビへジャンプ
Enter : 再生中の曲をお気に入り登録
Shift + Enter : 再生中の曲をお気に入り解除
P : 再生中の曲をカレントリストに追加
Shift + P : 再生中の曲をカレントリストから外す
/ : この画面を開く
ESC : 閉じる / 戻る
この画面はいつでも / で呼び出せます
play_arrow
サビ
volume_up  
repeat
shuffle
fullscreen拡大
more_vert
info詳細