#1　この曲にはバックストーリーがあって、主人公は宇宙人という設定です。母星を失い、コールドスリープで眠りにつきながら宇宙を漂流していた主人公が「地球人」からの通信を受け取り目を覚ますという話で、もはや短編SF映画です。
ちなみに「Do You Copy？」は「聞こえますか？　応答願う」といった意味です。「This is Earth. Do You Copy？」

#2「BONES AND ALL」

#3　不気味の谷を軽々と超えてくる、流暢なSakiとVOICEPEAKの声。人間と区別がつかない……。
■■と□□くんという、顔も名前も曖昧だった「彼」が、終盤では「あの子」と「君」という別々の人間として認識されるようになっているところに注目して聴いてみてほしいです。最後「私も生きている」に着地するのが秀逸です。

#4　めるさんとかぶりました。でも、文脈が違うのでオッケーです。
この曲を聴いてると、映画『怪物』が頭に浮かびます。『奇跡にはなれない』のほうが先なので勝手にむすびつけているだけなのですが、不思議と雰囲気が似ているのです。映画の主人公二人は、ラストシーンでこの世ではない別世界へ旅立つのですが、楽曲の二人はいったいどこへ向かうのでしょうか。その先に幸せな世界が待っていると信じて。

#5　最初聴いたとき、めちゃくちゃ刺さったのでツユリアオカis何者と思い調べたら、好きなバンドの作曲とピアノを担当してる人の個人名義でした……衝撃。
リリカピアノ（で合ってますよね？？）が印象的で、最後の歌声が重なるところとか、感情全部持ってかれます。
2023/12/10追記：好きなバンド、眩暈ＳＩＲＥＮが、解散の発表を出しました。ここでボカロ以外の話をするのもなんですが、いろいろと思いが溢れてしまったので記しておきます。10年間ありがとう。

#6　カンザキイオリ作詞、二人で作曲・編曲という破壊力マシマシの一曲です。
「陽が衒（てら）った　僕を笑った」で韻を踏んでいるところが、歌詞のここ好きポイント。ワルツとEDMが組み合わさったかのような、壮大で厚みのある雄之助サウンドも引き込まれます。花譜✕Ema歌唱バージョンの「あるふぁYOU」も好き。

#7「世界の中心で愛を叫んだけもの」
初投稿からまだ１年ほどという事実に驚きを隠せない、最注目株の死んだ眼球さん。不穏な世界観と濁流のようなサウンドスケープが虜になるPさんです。爆音推奨&イヤホン推奨。
７分超えという超大作の今作「夏　O幻」は、一つの到達点だと思っています。サビの盛り上がりと、歌詞が聴き取れないのに謎の深い感動に包まれる後半部分の勢いが凄まじい。100選入りです。

#8　お待ちかね、Δさんのボカコレ曲。「青色が怖くなったんだ」「メテオライトレッド」に連なるシリーズです。曲調が二転三転するのに、一つの曲として完成されているのがすごすぎてすごい()。浮遊感のあるエレクトロなサビと、溺れるような感覚のラストパートの対比が面白いです。

#9　きくおさんの「幸福な死を」をオヨイダキビスさんがリミックスした作品。4:00からの展開が圧倒的で何が起きているのかわからない。何度聴いても鳥肌が立つ。破壊と創造、収縮からの膨張、シンギュラリティから巻き起こるビッグバン。そう、これはまさに宇宙だ。
白紙ジャコウさんの美しいイラストにも注目。

#10　ボカロ界の破滅型私小説。
タイトルの通り「私小説」なので歌詞を読んでほしいのはもちろん、バンドサウンドもめちゃくちゃかっこいいのが最高です。
2023年の1選かもしれない。

曲を残してくれて、ありがとう。