神調教タグを巡ると必ずどこかでcilliaにぶち当たる。入りからクオリティが高いが、サビの爆発力はそれを上回る衝撃。
うなるような効果をもたらすグロウルはVOCALOID4から追加された機能であり、歌唱ボーカロイドのVY1V4は日本では初のVOCALOID4音声ライブラリだった。cillia氏はVY4V1発売当日のうちにこの動画を上げている。サビの訪れた瞬間は、ボカロ世界にグロウルが訪れた瞬間でもあると言えるだろう。

知名度の高さの一因には調声もあると信じて疑わない。
がなりとエッジはもちろんのこと、吐き捨てるような語尾の落とし方に煮詰められたそれは明らかに「感情」。

海外のボカロP「darkninjavn2011」の作品。主にYouTubeに作品を投稿しているが、こちらは許可を得た上でニコニコに転載されているらしい。サビの伸びやかな歌い方が印象的。
darkninjavn2011氏は2021年現在もYouTubeにて活動している。Saki AIによる「猛独が襲う」のカバーは必聴のクオリティなので、このコメントを見た人はぜひ氏のチャンネルから探してみて欲しい。(タイトルは英語に訳されていることに注意)

サビの勢いもさることながら、AメロBメロの空気感も抜群。息が多めで、Adoの気怠げな感じと生々しい厚みのある声になっている。

驚くべきはこれが2010年の作品であり、歌唱ボカロがMEIKOであることだ。今でこそVOCALOID3バージョンのものがでているが、当時あったMEIKOは「VOCALOID」、つまり最初期バージョンである。使用バージョンと制作年を考えると、オーパーツじみたクオリティの調声である。

可不についてはあまりよく分かっていないが、ソフトとしてのポテンシャルが大変高いことだけは分かる。以前の神調教系に多かった、張り上げる勢いのよさとは全く別軸の良調声になっている。